植物の糸ができるまで

<苧麻の繊維をとりだす>

苧麻(ちょま)は、イラクサ科の植物で、からむし、青苧(あおそ)などとも呼ばれます。多年草なので、一度植えると毎年芽を出します。
昭和村ではよい繊維をとるために年1回しか収穫しませんが、沖縄のようにあたたかい気候のところでは年に3~4回収穫できるそうです。
我が家の小さな畑では、年に2~3回ほど刈り取りを行います。

苧麻の苧ひきは、1日ずつ行うのが原則。収穫だけたくさんしておいて~というような“とりだめ”はできません。早朝、その日のうちに作業できる分だけを収穫します。

刈り取った苧麻は、まず葉っぱをすべて落として茎だけにします。

すべての茎の葉っぱを落としたら、抱えられるくらいの束にまとめ、皮をはぎやすくするためにしばらくきれいな水に浸けます。

茎の根本のほうを2つに折り、先端に向かって指で皮をはぎ取っていきます。

はいだ皮は束ねて水に浸けておきます。

「ひきご」という道具を使って茎の外側のかたい部分をこそぎおとすと透き通った繊維がでてきます。

ひきたての繊維は白いリボンのようで、艶と光沢があってとてもキレイです。

繊維は小分けにして束ね、風通しの良いところで「かげ干し」して乾燥させます。

繊維が乾燥したら、束にまとめて直射日光の当たらない場所に保管します。