築260年の山村の古民家で、植物を育てて、糸をつくったり、草木で染めたり、機で織ったりしています。
植物の糸ができるまで
<苧麻(カラムシ)>
苧麻(ちょま)は、イラクサ科の植物で、カラムシ、青苧(あおそ)などとも呼ばれます。多年草なので、一度植えると毎年芽を出します。 |
苧麻の茎の根本のほうに鎌をあてて一気にザックリ刈り取ります。 |
葉っぱをすべて落として茎だけにします。 |
茎の根本のほうを2つに折り、先端に向かって指で皮をはぎ取っていきます。 |
はいだ皮は束ねて水に浸けておきます。 |
「ひきご」という道具を使って茎の外側のかたい部分をこそぎおとすと透き通った繊維がでてきます。 |
ひきたての繊維は白いリボンのようで、艶と光沢があってとてもキレイです。 |
繊維は少しずつ束ね、風通しの良いところで「かげ干し」をして乾燥させます。 |
繊維が乾燥したら、束にして保管しておきます。 |
<糸を績む>
苧麻や大麻などの植物繊維(靭皮繊維)の糸づくりをすることを「糸を績(う)む」といいます。 |
細く裂いた繊維に撚りをかけてつなぎながら1本の糸をつくっていきます。 |
つないだ繊維は、はじまり(根元)のほうから苧桶に入れてためていきます。 |
苧桶にたまった繊維はブンブン(糸車)で撚りをかけて糸にします。 |
昭和村では、昔から「たいらな気持ちでないとよい糸ができない」といわれています。 |
撚りをかけた糸は、木枠に巻きなおして糊づけをします。 |
タテ糸を準備して、やっと機織りが始まります。 |