植物の糸ができるまで

<糸を績む>

苧麻や大麻などの植物繊維(靭皮繊維)の糸づくりをすることを「糸を績(う)む」といいます。
まず、繊維を1本ずつ手にとり、細く裂いていきます。

細く裂いた繊維を手にとり、撚りをかけてながら1本につないでいきます。
糸績みは、昔から雪に閉ざされる長い冬の間の女性たちの仕事であり、春先になると冬にたまった糸を使って織りがはじまったのだそうです。

つないだ繊維は、はじまり(根元)のほうから苧桶に入れてためていきます。
苧桶に蓋をしたときに蓋が少し持ち上がるくらいの量をつくると、100匁くらいといわれています。
100匁の糸は、男帯(幅2寸6分~3寸)のタテ糸2本分、女帯(幅8寸1分~2分)のタテ糸1本分になります。

苧桶にたまった繊維はブンブン(糸車)で撚りをかけて糸にします。

昭和村では、昔から「たいらな気持ちでないとよい糸ができない」といわれています。

撚りをかけた糸は、木枠に巻きなおして糊づけをします。

タテ糸を準備して、やっと機織りが始まります。